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2015年07月23日 更新

市長コラム第84回 安芸高田市「未給水区域」の解消に挑戦


 水道はライフラインとして、私たち市民の生命や日常生活を支えるとともに、文化的生活を営む上で、欠かすことの出来ない大切な基盤施設であり、極めて重要な役割を担っています。
 私は、安全・安心で安定した水の供給は、自己水源では困難であると考え、持続可能な水道事業経営を確立し、普及率を向上させることが行政の課題であると認識しております。
 本市の水道事業は「水道事業」「簡易水道事業」「飲料水供給事業」により実施し、平成27年4月現在における整備率は(整備区域内人口÷安芸高田市人口)85.8%、普及率は(給水人口÷安芸高田市人口)75・3%であります。これは、全国水道普及率97.7%、広島県水道普及率94.2%と比較すると大変低い状況ですが、全国的にも中山間地域では普及率が低い傾向にあります。
 現在、本市には、美土里町(生田・桑田・本郷・北・横田)、高宮町(川根・船木・佐々部・羽佐竹・房後・来女木・原田)、吉田町(相合の印内地区)、甲田町(深瀬・浅塚)の地域の一部では、水道の未給水区域が存在し、約4,300人の市民のみなさまが生活を営んでおられます。
 これらの地域は、合併当初、水利権獲得・水源不足等により水道整備をやむなくあきらめた地域であり、その代替えとして、ボーリング等の費用を支援してきました。しかし、これらの未整備地域においても、町境をまたいだ水道水の転用、ため池の有効活用、中道水等の事業展開を図り、未給水区域の解消は行政責務と感じています。
このような状況の中、国の簡易水道事業の補助制度が見直され、平成28年度末を目途に水道3事業を統合することとなりました。水道事業の効率化は無論のこと、水利権・水源の運用が可能となる大きなチャンスです。
 本市では国の動向を見据え先行して事業を取り組んできました。ソフト事業は、平成25年度からの水道事業の包括民間委託と併せ、既存水利権、農業ため池等、各町の必要水利の実態調査を実施。またハード事業は、平成25年度から甲田町上小原(山田)での水道事業、美土里町横田地区での簡易水道事業を実施。これらは、将来水道水を有効供給するために区域間の連結管路の埋設整備であり、吉田~美土里~高宮間はすでに着手しています。また、吉田~八千代間、吉田~甲田間、甲田~向原間についても検討中です。いずれにしましても、3事業統合後には早急に各給水区域間の連結が必要であると思っています。
 今後、持続可能な水道事業経営のもとで、未給水区域を解消するためには、水道ビジョンの策定等による、事業のあるべき方向性を確立するとともに、費用に見合った料金設定等が必要となります。私たち行政は、職員一丸となって、民間委託等で生じた余剰なエネルギーを活用することにより、安全・安心で安定した水の供給に向け、「未給水区域」の解消に挑戦してまいります。
 市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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