2016年07月25日 更新
市長コラム第94回 健康倍増計画の成果
中山間地域である本市は、他の地域に比べ高齢化が進んでおり、医療・介護サービスの基盤強化、将来を見据えた人材の確保や本市の実情に沿った「地域包括ケアシステム」の構築が大きな課題であります。このシステムの効果的な構築にむけては、市民の健康づくりが必須要件となります。
本市では、国の健康づくり運動(健康寿命の延伸・生活習慣病の発症予防・重症化予防)などの取組みに連動し、平成19年「みんないきいき笑顔で」をスローガンに、安芸高田市健康倍増計画『健康あきたかた21計画(平成24年度〜28年度)』を策定しました。この計画の柱は、「生活習慣病の発生予防と重症化・合併症の予防」・「こころの健康づくり」・「食べることを楽しみ、健康を大切にするこころを育てる食育の推進」の3つを中心に施策を実施することです。計画推進に当たっては、『市民総ヘルパー構想』の理念(自助・共助・公助)のもと、高騰する医療費の抑制と健康寿命の延伸を目標に糖尿病発生と重症化予防に取組みました。
この「健康倍増計画」に沿って、行政と市民が自助・共助・公助の役割を明確にし、具体的に事業を進めています。
① 健診受診率の向上
お太助フォンや広報を通じて、市民に健診の必要性を促し、出前等で出来るだけ市民の居住地に近い場所で実施しています。その結果、特定健診では、対象者の半数の健康状況の把握につながり、受診率も高く推移しています。また、「健康フェスタ」や「健康ウォーキング」などを継続的に実施し、市民の健康意識の向上に努めています。
② 徹底した保健指導(重症化予防事業等の実施)
自助を促進する取組みとして、健診結果から、「受診勧奨域」・「保健指導域」・「治療域」において、一人一人の健康状態に応じ徹底した保健指導を展開しています。特に、「治療域」を対象とした生活習慣病重症化予防事業においては、不参加者の医療費の上昇化がみられます。事業効果として、糖尿病の入院治療費と入院件数の減少、透析新期患者が減少しています。
③ 生活習慣病予防
市内小学校の児童を対象に血液検査と保健指導を実施し、子供の頃から生活習慣病予防に取り組むと同時に、家族全体で生活習慣病への意識を高めることを目指しています。
健康倍増計画を進めた成果、本市における特定健診受診率は50%を超え県内で最高の受診率となりました。がん検診率も同様に高く、早期発見、早期治療につながり、重症化の抑止になっています。
また、全国的に医療費の上昇傾向が見られる中、本市の医療費は、平成21年度〜平成23年度に平均して6〜9%上昇していたものが、平成23年度〜平成25年度は1〜2%、平成25年度〜平成26年度では1%未満に減少しています。市民の中には、糖尿病の予備軍も多くおられますが、糖尿病の発生や重症化の抑制に効果が出ている喜ばしい状況があります。
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