2016年02月23日 更新
市長コラム第91回 安芸高田市の教訓「三矢(みつや)の訓(おしえ)」
「毛利元就は臨終の床で、長男・毛利隆元、次男・吉川元春、三男・小早川隆景の三人の息子を枕元に呼び寄せて、矢を一本ずつ与えて『折ってみよ』と命じ、息子達は難なくこれを折った。
今度は三本の矢を束にして、また『折ってみよ』と命じたところ、息子達は誰も折ることは出来なかった。元就は一本では脆い矢も束にすれば頑丈になる事を示し、毛利家も三兄弟が結束すれば、他国から攻められることはないと、三人の息子に諭した」
この最も有名な逸話「三矢の訓」が史実であるかどうかは、昔から様々な意見があり真偽は不明です。しかし、元就が三人の息子に宛てて書いた長文の書状「三子教訓状」(毛利家文書)が元になったともいわれています。ここで元就は三人の息子に繰り返し兄弟の結束を諭しています。そして実際にこの三兄弟は結束し、戦乱の時代に毛利の屋台骨となったのです。元就が実際に矢を折らせたかはさておき、私はこの「三矢の訓」は後世に残る毛利家の素晴らしい家訓であると思っております。
安芸高田市では、「三矢の訓」に因んで各部において事業の展開をしております。教育委員会では、「自立・協働・創造」、「知・徳・体」、「学校の宝・家庭の宝・地域の宝」と、それぞれ三つのキーワードを掲げた基本目標のもと、みつや協育(安芸高田協育)を推進、福祉保健部では、市民総ヘルパー構想に基づく健康づくりの推進、市民一人ひとりの健康づくりの推進、生活習慣病の発生予防・重症化予防の三矢を掲げ、健康あきたかた21を推進しています。建設部では、子育て婚活住宅の団地購入・新築・リフォームの三矢の住宅政策、産業振興部では、JA広島北部と連携し、三矢御膳・三矢えびす茶・三矢そばの特産品の開発を行っています。また、安芸高田市のマスコットキャラクター「たかたん」は三本の矢を肩に背負い市のPR活動をしています。
昨年素晴らしい活躍で全国制覇をした、サンフレッチェ広島の語源のサンは日本語の3であり、フレッチェはイタリア語で矢を意味し、「三矢の訓」にちなんだものである事は言うまでもなく、毛利元就の「三矢の訓」がご縁でサンフレッチェ広島のマザータウンとして、安芸高田市の活性化に寄与して頂いております。
安倍首相はアベノミクスの経済対策として「三本の矢」を掲げ、①大胆な経済政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略を基本方針として、経済対策を講じられました。安倍首相は山口県の出身で、毛利家とは大変ゆかりがあります。3年前首相官邸を訪問し、清神社で祈祷した三本の矢を贈呈し、日本の経済復興を祈念したことは、記憶に新しいことであります。
湯﨑広島県知事は、県庁の仕事を推進するための基礎となる3つの視座、①県民起点、②現場主義、③予算志向から成果志向への転換を提案されました。
安芸高田市(長男・毛利隆元)、北広島町(二男・吉川元春)、三原市(三男・小早川隆景)は毛利家三兄弟をご縁として、広島県知事(毛利元就)の立会で各市町の観光事業を推進するため、「三矢の訓」の協定を結ぶ事となりました。この度の協定により、更なる連携を深め、市町の発展に寄与出来るものと確信をしております。安芸高田市長・北広島町長・三原市長・広島県知事の甲冑を着ての調印式は見ごたえのあるものになると思います。いずれにしても、「三矢の訓」は安芸高田市の教訓であり、昨年策定した「市民憲章」にも、《「三矢の訓」で心を一つに「協働のまちづくり」にはげみます》と掲げています。今後のまちづくりの基本理念とし、市民が結束して安芸高田市を構築していきたいと思います。
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