2015年02月03日 更新
市長コラム第73回 全国知事会「少子化非常事態宣言」に思う
7月15日(火)佐賀県にて開催された全国知事会で、先般5月に日本創成会議(座長 増田寛也元総務大臣)から発表された、将来の日本の人口減少の試算を重く受け止め、知事会として人口減少の危機感を共有し「少子化非常事態宣言」が採択されました。
日本創成会議では、人口減少の要因として、若年女性(20歳~39歳)の減少と都市圏への若者の流出をあげています。そのためには、地域で働き・学び・暮らす場をいかに形成するか、政府・自治体の役割が大きいとされています。日本創成会議の試算は、26年後の2040年には、現在1,797の自治体のうち896程度の自治体で若年女性の人口が半減し、将来的に自治体が消滅する可能性があるというショッキングなものでした。広島県の湯﨑知事も知事会において、首都圏一極集中に対しては課題が多くあり、人口分散をも含んだ抜本的な対策が必要と力強い発言をされました。
安芸高田市の状況は、日本創成会議の試算によれば、人口移動が収束しないと仮定すれば、2010年に20歳~39歳までの若年女性の人数は2,643人でしたが、30年後の2040年には1,224人になる、と非常にショッキングな結果となっています。
近隣の市町でも同様に、三次市5,249人が2,676人、庄原市2,960人が1,319人、江田島市2,078人が662人、安芸太田町408人が115人、北広島町1,531人が734人と、いずれも若年女性は減少の傾向にあると報告されています。このことから、30年後の本市を含む中山間地域の集落の維持は危機的状況にあると思われます。
安芸高田市としては、これまで、少子高齢化対策を必須の課題ととらえ、新公共交通システム(お太助ワゴン等)、定住住宅施策、乳幼児医療費助成、婚活推進事業、子育て支援事業等の事業を推進し、一定程度の成果をあげています。今後、高齢化が深刻化する安芸高田市においては、この度の知事会の「少子化非常事態宣言」を真摯に受け止め、長期的な視野を見据えた、抜本的な対策を講じて行く必要があると考えます。幸い、安芸高田市は広島都市圏に近く、市内を芸備線、中国縦貫道、国道54号がバランスよく貫通しており、更には広島空港へのアクセスとして東広島高田道路の計画があり、これらの機能を十分に発揮させていくことが大切です。また、広大な農地・山林や空き家・耕作放棄地等を有効活用し活性化を図る必要があります。
少子高齢化に伴い、日本人による安芸高田市の就労人口が激減します。医療・介護・商工業に従事する優秀な人材が都会・大企業に流出する傾向にあり、アベノミクスによる景気の回復によりこの傾向が強くなりました。市では6年前から女性の社会進出を促す男女共同参画社会の構築や優秀な外国人の受け入れが可能となる多文化共生施策を展開しており、今後更に対策を強化していきたいと思います。いずれにしても、将来に向かって安芸高田市が消滅しないよう、安芸高田市の存続をかけ、徹底した事業の見直しを行い、市民の皆様と真剣に考えていきたいと思います。
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