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平成25年度 施政方針
安芸高田市長 浜田一義
1.はじめに
2.平成25年度予算編成の基本方針
3.施策の大要
(1)快適で賑わいのあるまちづくり
(2)心豊かで創造性に富んだまちづくり
(3)人と環境にやさしいまちづくり
(4)多彩な生産と交流のまちづくり
1.はじめに
2.平成25年度予算編成の基本方針
3.施策の大要
(1)快適で賑わいのあるまちづくり
(2)心豊かで創造性に富んだまちづくり
(3)人と環境にやさしいまちづくり
(4)多彩な生産と交流のまちづくり
1、はじめに
平成25年第1回定例会の開会にあたり、市政運営に関する私の所信と平成25年度当初予算における主要施策の概要について、ご説明申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
平成26年3月1日をもって、高田郡6町の合併により安芸高田市が誕生して、10周年を迎えることとなりました。この間、市民一丸となって「人・輝く安芸高田」を目指し、「住民と行政の協働のまちづくり」を推進した結果、これからの安芸高田市を支える、しっかりとした土台を築くことができた、と考えております。
さて、我が国の経済は、円高・デフレ不況が長引き、製造業の競争力が低下し、貿易赤字も拡大しております。また、国内の成長機会や若年雇用の縮小など、閉塞感を払拭できない状況も、継続しております。
このような状況から脱却するため、国においては、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」で、日本経済再生に向けた取り組みを進めることとしました。
その第1弾として、史上最大規模の補正予算と平成25年度予算を一体的なものとした、いわゆる「15ヶ月予算」により、切れ間のない経済対策を実行する方針ですが、本市といたしましても、国や県と連携を密にし、積極的な対策に取り組んでまいる所存でございます。
2.平成25年度予算編成の基本方針
次に、平成25年度当初予算の編成方針について、ご説明申し上げます。
景気の低迷などにより税収は減少し続け、財源の根幹をなしている地方交付税についても、合併特例加算措置の段階的減額が始まる平成26年度まで残すところ1年となり、今後の財政運営は極めて厳しいものとなります。
さらに、本市では今後、少子・高齢化や人口減少が急速に進行すると推計されており、市財政に歳出の増大、歳入の減少などの影響を及ぼすのみならず、市の活力自体の低下に繋がると懸念されております。
このように、歳入の大幅な減少が見込まれる中、少子・高齢化という非常に大きな課題に対応するためには、民間にできることは民間に積極的に移管・委託する第2次行政改革を一層推進し、経常経費の抑制を図るとともに、互助・共助を柱とする「市民総ヘルパー構想」を始めとした、地域での活動を通じて隣近所と支え合っていく社会を築く取り組みを強化し、行政コストの抑制縮減と公共サービスの維持向上の両立を図っていく必要があります。
また、新市建設計画に掲げられた大型建設事業に、一定の目途が立つ状況となったことから、整備されたインフラを活用した「まちづくり」に重点を置く「ハードからソフトへの転換」が、 これからの本市の課題となっていきます。
このため、平成25年度当初予算編成においては、新市建設計画に掲げられた大型建設事業を着実に仕上げるとともに、「市民総ヘルパー構想」に基づき自助・共助・公助の役割分担を明確にしつつ、少子・高齢化対策の一層の充実を図るなど、今後も、安芸高田市が活力を保ち発展できる「まちづくり」に繋がる施策に重点的に取り組む一方、内部管理経費の縮減、民間への移管・委託の推進、歳入の確保など、あらゆる手段を通じて財政健全化計画を着実に推進することなどを基本方針として予算編成を行いました。
その結果、平成25年度の当初予算規模は、
◆一般会計、209億5,900万円(対前年度比11.0%減)
◆11の特別会計は、合計113億3,181万7千円 (対前年度比2.0%増)
◆地方公営企業法適用の水道事業会計は、第3条予算及び第4条予算合計で4億9,056万4千円(対前年度比2.7%減)となりました。
一般会計の減につきましては、葬斎場施設整備事業、土師ダム周辺整備事業などの大型の建設事業が完了したことが主な要因でございます。
また、特別会計の増につきましては、簡易水道事業特別会計における施設建設費の増や国民健康保険事業特別会計における退職被保険者等療養給付費の増によるものです。
水道事業会計の減につきましては、配水施設新設改良費の減によるものでございます。
3.施策の大要
それでは、施策の大要を「総合計画」に掲げる施策の体系に沿って、ご説明申し上げます。
(1)快適で賑わいのあるまちづくり
まず、快適で賑わいのあるまちづくりについて、でございます。
支所及び支所周辺施設の有効活用につきましては、地域住民の利便性の向上と賑わい創出のため、公益性の高い団体等の支所への集積や防災拠点としての周辺整備など地域住民の多様な活動拠点としての利活用策も検討しながら順次整備してまいります。
次に、幹線道路網の整備について、でございます。
広域ネットワーク道路である地域高規格道路「東広島高田道路(向原吉田道路)」につきましては、吉田側、正力側とも用地買収、物件補償を概ね完了することができました。今後も、本格的な工事の推進が図られるよう、国、県に対して一層の働きかけを行ってまいります。
「国道54号可部バイパス」につきましては、大林工区のうち大林3丁目バス回転場までの区間が、いよいよ平成25年度に開通する予定でございます。
本市から広島市方面への所要時間が大幅に短縮され、地域活性化はもちろんのこと、安佐市民病院への救急搬送時間の短縮など、市民の安全・安心の向上などにも、効果が期待されております。今後も、全線開通を関係機関と連携し、要望してまいります。
県道改良につきましては、平成23年度に事業再開しました合併支援道路「一般県道原田〜吉田線」について、印内側の区間で用地買収が進められ、一部の工事に着手するとともに、第2期工区の測量にも着手されました。
今後とも県に対し、吉田〜豊栄線、吉田〜邑南線、広島〜三次線等とあわせ、未整備区間の改良と交通安全事業の早期整備に向け、強く働きかけてまいります。
主要市道の改良につきましては、国費事業による勝田〜根之谷線他、継続2路線の事業に加え、林道入江〜戸島線の開設事業と一体的に整備を行う、道越〜多治比田線の調査に着手してまいります。
また、地方特定道路整備事業においては、柳原線他、継続3路線と本郷線他、新規2路線の事業を促進してまいります。
さらに、今後、可部バイパスの大林工区の開通や、尾道松江線の全線供用により、道路利用形態の変化が予想される中、安芸高田市の重要な幹線道路である国道54号の魅力を高める沿線活性化について、検討を行ってまいりましたが、中国縦貫自動車道や東広島高田道路とのアクセスの利便性や農産物の集積等を考慮して、現在「ふれあいあきたかた産直市」がある場所で、人にやさしい「ノーバックパーキング」等の機能、環境にやさしい「電気自動車用充電器」等の機能に加え、防災拠点機能を備えた、新しいタイプの「道の駅」の整備に、国土交通省と一体となって着手してまいりたいと考えております。
次に、公共交通体系の整備について、でございます。
市内全域を対象とした「お太助ワゴン」などの「新公共交通システム」も運行開始から2年以上が経過し、利用者の皆様からは「通院や買物などへ気軽に行けるようになった」など、概ね好評を頂いているところです。
今後も、さらなる利用拡大に向けて登録者の増加を図るとともに、事業者と連携し一層の安全運行に努めてまいります。
次に、情報基盤の整備について、でございます。
平成23年度に着手しました、光ネットワーク整備事業については、平成25年4月から吉田町、八千代町、美土里町、高宮町で稼働を開始することとなりました。平成25年度は、甲田町、向原町での工事を行い、年度内の市内全域での稼働に向け、整備を推進します。
また、光ネットワークと各世帯に設置するテレビ電話「お太助フォン」により、従来の有線放送や防災行政無線の機能に加えて、福祉、医療、教育などの分野で、都市部と格差のない市民サービスの提供を目指すとともに、特産品のインターネット販売や企業誘致などの産業活性化に繋げるための検討を、進めてまいりたいと考えております。
次に、安全なまちづくりの推進について、でございます。
東日本大震災や各地で頻発している集中豪雨等、近年、未曽有の大災害による甚大な被害が発生しております。
市消防本部・消防署及び消防団との緊密な連携の下、災害時には万全の体制で対応するとともに、消防車両や防火水槽等について、計画的に整備してまいります。
また、消防本部においては、消防救急無線のデジタル化に対応するため、平成25年度も、引き続き整備を進めてまいります。
さらに、地域における防災意識の高揚のため、地域振興会等を中心とした、自主防災組織が市内一円に拡大するよう、強く推進するとともに、防災資機材・備蓄物資の購入支援や防災訓練等も協力して実施してまいります。
次に、防犯対策の充実について、でございます。
近年、全国的に、凶悪事件が頻繁に発生しており、従来にも増して、安芸高田警察署、防犯連合会並びに地域安全推進員とも緊密な連携を図りながら、防犯対策に努めるととともに、防犯カメラを市内2カ所に新たに設置してまいります。
また、地域における児童への登下校時の見守り活動を支援するとともに、引き続き、青色回転灯車両による「安全・安心パトロール」を実施してまいります。
次に、交通安全対策の充実について、でございます。
交通死亡事故ゼロを目指して、交通実態に即した交通安全施策の推進や街頭指導の強化を行うなど、引き続き、安芸高田警察署並びに交通安全運動推進隊と連携し対策を推進するとともに、全国的な課題となっている、通学路の安全確保につきましても、ハード・ソフト両面での対応を進めてまいります。
また、高齢者が関係する事故が増加傾向にありますが、75歳以上の高齢ドライバーで運転に自信のない方を対象に、お太助ワゴンの回数券をお渡しする助成制度の周知を図り、免許証の自主返納の取り組みを、さらに推進してまいります。
次に、生活環境の整備について、でございます。
住宅対策の充実につきましては、子育て・婚活定住促進団地として、順調に分譲されている向ヶ丘団地・上甲立団地の募集を、引き続き、行うとともに、市遊休地や民有地を活用した民間事業者主体の住宅団地整備を促進する補助制度を創設し、若い世代の定住の受け皿づくりを推進します。
また、定住する子育て・婚活世帯の住宅建設を支援するための「子育て・婚活住宅新築等補助金」などと併せて、一層の定住促進につなげていきたいと考えております。
市民の皆様からも好評で、市内建築関連業者を中心に、地域経済への波及効果も生んでいる「安全・安心・住環境リフォーム普及促進事業」を増額するとともに、空き家の有効活用を図るため、新たに安芸高田市への定住を目的に、空き家改修を行う場合の工事費の一部を補助する「空き家再生事業補助金」を創設することとしております。
次に、公共施設の計画的な整備について、でございます。
上水道の整備につきましては、未給水区域の解消を図るため、甲田町山田地区の配水施設整備に着手するとともに、簡易水道八千代給水区の安定した給水を確保するため、水量拡張事業と併せて水道管老朽化更新事業を継続して実施します。
また、美土里町横田地区の未普及地域解消事業につきましては、浄水場と配水施設の工事に加え、水量の安定供給確保のため、吉田町丹比・可愛給水区を拡張し、美土里・高宮給水区への連絡管設置工事に着手することとしております。
あわせて、行政改革の見地から、上水道の維持管理、運営につきまして、民間活力導入を推進してまいりましたが、平成25年度から、包括的な民間委託を本格的に実施するとともに、水道事業と簡易水道事業等を統合するための固定資産評価を実施してまいります。
下水道事業につきましては、一層の水洗化率向上に向け、引き続き、公共下水道事業等を推進するとともに、市設置型の浄化槽整備を推進し、早期に全市的な水洗化を目指します。
また、宅内の排水設備工事費の一部を補助する「下水道加入促進補助金」の活用により、下水道への加入促進を、引き続き推進してまいります。
また、市制施行10周年事業として、市民憲章の策定や記念式典を開催するとともに、広く市民を対象とした文化芸術イベント、市内22神楽団が一堂に会する神楽特別公演、没後450年を迎える毛利隆元展と安芸高田市宝人展などを行いたいと考えております。
最も懸案でありました新葬斎場整備につきましては、地元をはじめ、関係各位のご理解とご協力により、「あじさい聖苑」として、平成25年4月に開館する運びとなりました。命の尊厳と安らぎを感じる施設となるよう運営してまいります。
(2)心豊かで創造性に富んだまちづくり
次に、心豊かで創造性に富んだまちづくりについて、でございます。
参加と協働によるまちづくりを推進するため、引き続き、地域振興会の活動を支援してまいります。また、男女共同参画の推進や青少年の健全育成につきましても、関係機関・団体と連携し、施策を推進するとともに、広報や研修会など啓発事業に取り組みます。
次に、生涯学習の推進について、でございます。
向原地区の生涯学習の拠点として「向原生涯学習センター」(仮称)が、平成25年度にオープンします。市民に親しまれる施設となるよう、関係者の皆様と連携しながら準備を進めてまいります。
次に、学校教育の充実について、でございます。
「確かな学力、豊かな心、健やかな体」のバランスの取れた児童生徒の育成のため、「安芸高田みつや協育」の推進・充実に努めてまいります。
また、学校規模適正化の取り組みにつきましても、地域や保護者の皆様との協議を行いながら検討を進め、教育効果の期待できる小中連携教育についても、県事業を活用しながら、推進してまいります。
学校耐震化対策につきましては、「学校規模適正化推進計画」との整合を図りながら、引き続き、計画的に推進してまいります。
次に、文化の振興について、でございます。
安芸高田市の大きな財産でもある児玉希望画伯・和高節二画伯の作品をはじめとする市所蔵の多くの美術品を、市内の公共施設等に広く展示し、より多くの人に楽しんで頂けるよう、「街がまるごと美術館事業」を展開してまいります。
文化財の保護と活用につきましては、4世紀後半の県内最大級の古墳として注目を浴びている甲立古墳の確認調査を実施してまいりましたが、埴輪列や家型埴輪が出土するなど、全国的にも貴重な前方後円墳であることが判明しましたため、今後、埴輪片の取り上げなどの追加調査を実施し、引き続き、国の史跡指定に向けた取り組みを、推進してまいります。
次に、スポーツ・レクリエーションの振興について、でございます。
昨年は、「サンフレッチェ広島」のJ1初優勝、「サンフレッチェ広島ユース」の高円宮杯サッカーリーグチャンピオンシップ3連覇、「ワクナガ・レオリック」の全日本総合ハンドボール選手権優勝など嬉しいニュースに沸きましたが、これら本市に練習拠点を置くスポーツチームへの支援をはじめ、スポーツの推進、スポーツイベントの充実を図るとともに、総合型地域スポーツクラブの育成支援を行ってまいります。
(3)人と環境にやさしいまちづくり
次に、人と環境にやさしいまちづくりについて、でございます。
すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現をめざし、「人権尊重のまちづくり条例」を基底に、さまざまな人権侵害や差別意識の解消に向け、市民とともに人権啓発に取り組んでまいります。
多文化共生施策の推進につきましては、外国人市民と日本人市民が、互いの違いを認め合い、支え合うまちづくりを推進する、「安芸高田市多文化共生推進プラン」を策定し、平成25年度は、このプランに基づき、事業に取り組むとともに、要望の多いポルトガル語の翻約・通訳員を1名増員することとしております。
結婚のきっかけづくりの支援につきましては、「結婚サポート事業」によって、平成24年度も5組以上の結婚が成立する見込みであるなど、着実に成果を挙げております。引き続き、コーディネーターと連携しながら、これまでの実績を踏まえた、より効果的な支援を実施してまいります。
次に、「市民総ヘルパー構想」の推進について、でございます。
「市民総ヘルパー構想」は、安芸高田市に古くからある「もやい」の精神に基づき、新たな「互助・共助」のかたちを創り出すことで、医療・福祉・介護等に必要な費用を抑制しながら、公共サービスの維持・向上を目指す取り組みでございます。
これまで、介護・福祉分野を中心に、「生活・介護サポーター養成事業」や「安心生活創造事業」などに取り組んでまいりましたが、新たに、医療分野において、生活習慣病の重症化予防対策や、ウォーキングなどの健康づくり運動などに、市民・医療機関・行政などが一体となって取り組む「健康倍増計画」を推進することとしました。
自助・共助・公助の視点から、市民・医療機関・行政などがそれぞれの役割を担い、「生活習慣病重症化予防事業」や「健康づくり運動支援事業」に取り組むことで、健康で充実した生活と医療費の抑制の両立を図ってまいりたいと考えております。
また、医師会、歯科医師会、地域の中核病院でありますJA吉田総合病院とも連携し、救急医療体制の整備や医師等の人材確保に向けて取り組んでまいります。JA吉田総合病院の「休日・夜間救急診療所」の運営につきましても引き続き、財政支援をしてまいります。
子どもの健康保持につきましては、少子化対策の一環として、乳幼児医療費の公費助成を、平成21年度より、小学校6年生まで拡充しているところですが、平成25年度から、さらに、中学校3年生までを対象とすることとし、子育て世代の、一層の負担軽減を図ることとしております。
次に、子育て環境の充実につきましては、「向原こばと園」の新設整備について、設立運営法人である「社会福祉法人三篠会」と連携し平成26年度の開園に向け、引き続き、推進してまいります。
また、「24時間保育」体制の充実のため、土曜日の終日保育を市内5カ所の公立保育園で試行開始することとし、安心して子育てができる環境づくりを進め、若者の定住促進を図ってまいります。
放課後児童対策につきましても、利用児童の多い美土里町の放課後児童クラブの増設を行うなど充実を図り、子育て家庭の支援を行ってまいります。
障害者福祉の推進につきましては、地域社会における共生の実現に向けて、障害者福祉サービスの充実と障害者の自立支援を目的に、社会参加の促進を図るための支援を行ってまいります。そのため、平成25年度から、障害者就労施設等の受注機会の拡大を図るため、市も率先して業務を発注することとしております。
また、民間活力の活用を図る第2次行政改革の一環として、公設の高齢者福祉施設であった「デイサービスセンター百楽荘」、「特別養護老人ホーム高美園」、「向原総合福祉センター(かがやき)」などを、現在の運営法人に無償譲渡し、民営移管することとしております。
次に、環境にやさしい社会の形成について、でございます。
再生可能エネルギーの導入促進が、国全体で求められており、本市においても、豊かな自然環境を生かした再生可能エネルギーの導入のための、基礎調査や検討に着手しました。平成25年度も引き続き検討を行い、年度内には実現に向けた方向性を出したいと考えております。
また、本市独自で実施している「太陽光パネル発電システム」の助成制度については、新たに事業所も対象とするなど一層の普及促進に努めるとともに、住宅向けについては、急速に工事価格が低下している実態を鑑み、補助単価の引き下げなどの見直しを行う一方、「安全・安心・住環境リフォーム普及促進事業」などを活用した、住宅全体の省エネ化を推進してまいります。
資源リサイクルの推進につきましては、市内の事業所等を中心に回収した古紙を、トイレットペーパー「あきたかた紙」として再成し、市内の公共施設で活用するなどの取り組みを推進し、リサイクル活動の普及啓発を図ってまいります。
(4)多彩な生産と交流のまちづくり
次に、多彩な生産と交流のまちづくりについて、でございます。
農林水産業の振興につきましては、ほ場整備事業では、団体営吉田町桂地区、甲田町下甲立地区を継続して、事業推進してまいります。
また、農道整備につきましては、「地域農道舗装リフレッシュ事業」を、平成25年度中の完了を目指して、実施してまいります。
シカ、猪等の有害鳥獣対策につきましては、県内でもトップレベルの対策を講じているところですが、引き続き、捕獲班との連携により捕獲に努めるとともに、農作物の被害を防ぐ防護柵等の設置事業に取り組んでまいります。
また、捕獲した有害鳥獣の肉(ジビエ)の活用を図るため、高宮町内に整備した加工施設を拠点として、特産化に向けた取り組みを進めてまいります。
さらに、農業の担い手不足と耕作放棄の問題が広がる中、集落等における「人・農地プラン」の作成を推進するとともに、遊休農地の解消を図りながら、担い手農家等への集積を促進する取り組みなどを強化してまいります。
野菜等の産地化・ブランド化の推進につきましては、青ネギ・アスパラガスなど競争力のある作物の産地強化及び販路の拡大を図るため、JA広島北部や県等の機関と連携し、パイプハウスの建設などの施設整備を支援してまいります。
また、「三矢ブランド」や「あきたかたのたから」など安芸高田市のブランド商品開発、販路拡大について、JA広島北部や安芸高田市地域振興事業団と連携し、取り組んでまいります。
農業後継者の育成支援につきましては、市とJA広島北部が共同拠出して造成した「農業後継者育成基金」により、県立農業技術大学校の学費等を支援するとともに、国が平成24年度から開始した青年就農給付金を積極的に活用するなど、新規就農者の育成確保策の一層の充実を、図ってまいります。
林業振興対策につきましては、森林の有する多面的な機能が十分発揮できるよう、森林の計画的な整備に努めてまいります。
また、引き続き、「ひろしまの森づくり事業」を活用し、里山林整備や環境貢献林整備などに積極的に取り組むとともに、平成25年度は「ひろしま山の日・県民の集い」が、本市をメイン会場として開催されることから、これを契機に、市民と一体となった森づくり運動を推進したいと考えております。
林道の新設改良につきましては、入江〜戸島線と小谷〜亀谷線整備を、平成25年度も引き続き、推進いたします。
次に、商工業の振興について、でございます。
企業誘致の促進につきましては、近年、円高等の影響により、製造工場の海外移転や閉鎖が相次ぐ中、本市では、農機具販売メーカー「中国クボタ」や機械製造業「田中電機工業」が進出するなど、立地が進んでおります。
今後も、県とも連携し、根気強く企業誘致に努めてまいります。
また、雇用対策につきましては、新たに、NPO法人や市内企業と連携し、高校生と社会人の交流会などを実施し、若年層の就労に対する意識の向上を図るとともに、地元企業への就職に繋がるような取り組みを推進します。
次に、観光振興につきましては、準備を進めておりました「安芸高田市観光協会」が設立されることとなり、今後は、観光協会を中心に官民一体となった観光振興策を推進し、魅力ある観光地づくりに努めてまいります。
また、本市の地域資源である「神楽」と「毛利元就の歴史遺産」を「安芸高田市が誇る財産」として位置づけ、これらを活用した観光振興、地域振興施策に取り組む「未来創造事業」につきましては、「神楽甲子園」や「ひろしま安芸高田神楽東京公演」が大きな反響を呼ぶなど、着実に成果を挙げているところですが、地元経済の活性化に繋げるため、地域での受入体制の整備や「売れる特産品」の開発などに取り組んでまいります。
2,100名を超える皆様に入会いただきました「安芸高田市ふるさと応援の会」につきましては、広島支部が発足するなど組織の強化が図られており、「ひろしま安芸高田神楽東京公演」の開催に際しても、関東方面の会員に、多大なご助力を頂きました。
今後も、組織の充実・強化に努めるとともに、特色ある活動を展開し、観光振興や特産物の販路拡大など、市の活性化に繋げてまいりたいと考えております。
さらに、平成25年7月から9月まで、広島県において大型観光キャンペーンが展開されることから、「ひろしま安芸高田神楽」の全国的な情報発信を行う絶好の機会と捉え、神楽を中心とした観光イベントをキャンペーン期間中に市内外で集中的に展開します。
新しい土師ダムサイクリング・ターミナルが竣工します。のどごえ公園に新たに設置する複合遊具や、先行オープンし既に市内外の多く方から御利用を頂いておりますグラウンドゴルフ場などと一体的に「健康と癒しの空間」として、本市の観光振興や市民のレクリエーション振興に繋がる施設となるよう運営してまいります。
以上、平成25年度予算の編成、提案にあたりまして、私の所信の一端を申し述べ、施政方針とさせていただきます。
何卒、慎重なるご審議を賜りますようお願い申し上げます。
平成25年第1回定例会の開会にあたり、市政運営に関する私の所信と平成25年度当初予算における主要施策の概要について、ご説明申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
平成26年3月1日をもって、高田郡6町の合併により安芸高田市が誕生して、10周年を迎えることとなりました。この間、市民一丸となって「人・輝く安芸高田」を目指し、「住民と行政の協働のまちづくり」を推進した結果、これからの安芸高田市を支える、しっかりとした土台を築くことができた、と考えております。
さて、我が国の経済は、円高・デフレ不況が長引き、製造業の競争力が低下し、貿易赤字も拡大しております。また、国内の成長機会や若年雇用の縮小など、閉塞感を払拭できない状況も、継続しております。
このような状況から脱却するため、国においては、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」で、日本経済再生に向けた取り組みを進めることとしました。
その第1弾として、史上最大規模の補正予算と平成25年度予算を一体的なものとした、いわゆる「15ヶ月予算」により、切れ間のない経済対策を実行する方針ですが、本市といたしましても、国や県と連携を密にし、積極的な対策に取り組んでまいる所存でございます。
2.平成25年度予算編成の基本方針
次に、平成25年度当初予算の編成方針について、ご説明申し上げます。
景気の低迷などにより税収は減少し続け、財源の根幹をなしている地方交付税についても、合併特例加算措置の段階的減額が始まる平成26年度まで残すところ1年となり、今後の財政運営は極めて厳しいものとなります。
さらに、本市では今後、少子・高齢化や人口減少が急速に進行すると推計されており、市財政に歳出の増大、歳入の減少などの影響を及ぼすのみならず、市の活力自体の低下に繋がると懸念されております。
このように、歳入の大幅な減少が見込まれる中、少子・高齢化という非常に大きな課題に対応するためには、民間にできることは民間に積極的に移管・委託する第2次行政改革を一層推進し、経常経費の抑制を図るとともに、互助・共助を柱とする「市民総ヘルパー構想」を始めとした、地域での活動を通じて隣近所と支え合っていく社会を築く取り組みを強化し、行政コストの抑制縮減と公共サービスの維持向上の両立を図っていく必要があります。
また、新市建設計画に掲げられた大型建設事業に、一定の目途が立つ状況となったことから、整備されたインフラを活用した「まちづくり」に重点を置く「ハードからソフトへの転換」が、 これからの本市の課題となっていきます。
このため、平成25年度当初予算編成においては、新市建設計画に掲げられた大型建設事業を着実に仕上げるとともに、「市民総ヘルパー構想」に基づき自助・共助・公助の役割分担を明確にしつつ、少子・高齢化対策の一層の充実を図るなど、今後も、安芸高田市が活力を保ち発展できる「まちづくり」に繋がる施策に重点的に取り組む一方、内部管理経費の縮減、民間への移管・委託の推進、歳入の確保など、あらゆる手段を通じて財政健全化計画を着実に推進することなどを基本方針として予算編成を行いました。
その結果、平成25年度の当初予算規模は、
◆一般会計、209億5,900万円(対前年度比11.0%減)
◆11の特別会計は、合計113億3,181万7千円 (対前年度比2.0%増)
◆地方公営企業法適用の水道事業会計は、第3条予算及び第4条予算合計で4億9,056万4千円(対前年度比2.7%減)となりました。
一般会計の減につきましては、葬斎場施設整備事業、土師ダム周辺整備事業などの大型の建設事業が完了したことが主な要因でございます。
また、特別会計の増につきましては、簡易水道事業特別会計における施設建設費の増や国民健康保険事業特別会計における退職被保険者等療養給付費の増によるものです。
水道事業会計の減につきましては、配水施設新設改良費の減によるものでございます。
3.施策の大要
それでは、施策の大要を「総合計画」に掲げる施策の体系に沿って、ご説明申し上げます。
(1)快適で賑わいのあるまちづくり
まず、快適で賑わいのあるまちづくりについて、でございます。
支所及び支所周辺施設の有効活用につきましては、地域住民の利便性の向上と賑わい創出のため、公益性の高い団体等の支所への集積や防災拠点としての周辺整備など地域住民の多様な活動拠点としての利活用策も検討しながら順次整備してまいります。
次に、幹線道路網の整備について、でございます。
広域ネットワーク道路である地域高規格道路「東広島高田道路(向原吉田道路)」につきましては、吉田側、正力側とも用地買収、物件補償を概ね完了することができました。今後も、本格的な工事の推進が図られるよう、国、県に対して一層の働きかけを行ってまいります。
「国道54号可部バイパス」につきましては、大林工区のうち大林3丁目バス回転場までの区間が、いよいよ平成25年度に開通する予定でございます。
本市から広島市方面への所要時間が大幅に短縮され、地域活性化はもちろんのこと、安佐市民病院への救急搬送時間の短縮など、市民の安全・安心の向上などにも、効果が期待されております。今後も、全線開通を関係機関と連携し、要望してまいります。
県道改良につきましては、平成23年度に事業再開しました合併支援道路「一般県道原田〜吉田線」について、印内側の区間で用地買収が進められ、一部の工事に着手するとともに、第2期工区の測量にも着手されました。
今後とも県に対し、吉田〜豊栄線、吉田〜邑南線、広島〜三次線等とあわせ、未整備区間の改良と交通安全事業の早期整備に向け、強く働きかけてまいります。
主要市道の改良につきましては、国費事業による勝田〜根之谷線他、継続2路線の事業に加え、林道入江〜戸島線の開設事業と一体的に整備を行う、道越〜多治比田線の調査に着手してまいります。
また、地方特定道路整備事業においては、柳原線他、継続3路線と本郷線他、新規2路線の事業を促進してまいります。
さらに、今後、可部バイパスの大林工区の開通や、尾道松江線の全線供用により、道路利用形態の変化が予想される中、安芸高田市の重要な幹線道路である国道54号の魅力を高める沿線活性化について、検討を行ってまいりましたが、中国縦貫自動車道や東広島高田道路とのアクセスの利便性や農産物の集積等を考慮して、現在「ふれあいあきたかた産直市」がある場所で、人にやさしい「ノーバックパーキング」等の機能、環境にやさしい「電気自動車用充電器」等の機能に加え、防災拠点機能を備えた、新しいタイプの「道の駅」の整備に、国土交通省と一体となって着手してまいりたいと考えております。
次に、公共交通体系の整備について、でございます。
市内全域を対象とした「お太助ワゴン」などの「新公共交通システム」も運行開始から2年以上が経過し、利用者の皆様からは「通院や買物などへ気軽に行けるようになった」など、概ね好評を頂いているところです。
今後も、さらなる利用拡大に向けて登録者の増加を図るとともに、事業者と連携し一層の安全運行に努めてまいります。
次に、情報基盤の整備について、でございます。
平成23年度に着手しました、光ネットワーク整備事業については、平成25年4月から吉田町、八千代町、美土里町、高宮町で稼働を開始することとなりました。平成25年度は、甲田町、向原町での工事を行い、年度内の市内全域での稼働に向け、整備を推進します。
また、光ネットワークと各世帯に設置するテレビ電話「お太助フォン」により、従来の有線放送や防災行政無線の機能に加えて、福祉、医療、教育などの分野で、都市部と格差のない市民サービスの提供を目指すとともに、特産品のインターネット販売や企業誘致などの産業活性化に繋げるための検討を、進めてまいりたいと考えております。
次に、安全なまちづくりの推進について、でございます。
東日本大震災や各地で頻発している集中豪雨等、近年、未曽有の大災害による甚大な被害が発生しております。
市消防本部・消防署及び消防団との緊密な連携の下、災害時には万全の体制で対応するとともに、消防車両や防火水槽等について、計画的に整備してまいります。
また、消防本部においては、消防救急無線のデジタル化に対応するため、平成25年度も、引き続き整備を進めてまいります。
さらに、地域における防災意識の高揚のため、地域振興会等を中心とした、自主防災組織が市内一円に拡大するよう、強く推進するとともに、防災資機材・備蓄物資の購入支援や防災訓練等も協力して実施してまいります。
次に、防犯対策の充実について、でございます。
近年、全国的に、凶悪事件が頻繁に発生しており、従来にも増して、安芸高田警察署、防犯連合会並びに地域安全推進員とも緊密な連携を図りながら、防犯対策に努めるととともに、防犯カメラを市内2カ所に新たに設置してまいります。
また、地域における児童への登下校時の見守り活動を支援するとともに、引き続き、青色回転灯車両による「安全・安心パトロール」を実施してまいります。
次に、交通安全対策の充実について、でございます。
交通死亡事故ゼロを目指して、交通実態に即した交通安全施策の推進や街頭指導の強化を行うなど、引き続き、安芸高田警察署並びに交通安全運動推進隊と連携し対策を推進するとともに、全国的な課題となっている、通学路の安全確保につきましても、ハード・ソフト両面での対応を進めてまいります。
また、高齢者が関係する事故が増加傾向にありますが、75歳以上の高齢ドライバーで運転に自信のない方を対象に、お太助ワゴンの回数券をお渡しする助成制度の周知を図り、免許証の自主返納の取り組みを、さらに推進してまいります。
次に、生活環境の整備について、でございます。
住宅対策の充実につきましては、子育て・婚活定住促進団地として、順調に分譲されている向ヶ丘団地・上甲立団地の募集を、引き続き、行うとともに、市遊休地や民有地を活用した民間事業者主体の住宅団地整備を促進する補助制度を創設し、若い世代の定住の受け皿づくりを推進します。
また、定住する子育て・婚活世帯の住宅建設を支援するための「子育て・婚活住宅新築等補助金」などと併せて、一層の定住促進につなげていきたいと考えております。
市民の皆様からも好評で、市内建築関連業者を中心に、地域経済への波及効果も生んでいる「安全・安心・住環境リフォーム普及促進事業」を増額するとともに、空き家の有効活用を図るため、新たに安芸高田市への定住を目的に、空き家改修を行う場合の工事費の一部を補助する「空き家再生事業補助金」を創設することとしております。
次に、公共施設の計画的な整備について、でございます。
上水道の整備につきましては、未給水区域の解消を図るため、甲田町山田地区の配水施設整備に着手するとともに、簡易水道八千代給水区の安定した給水を確保するため、水量拡張事業と併せて水道管老朽化更新事業を継続して実施します。
また、美土里町横田地区の未普及地域解消事業につきましては、浄水場と配水施設の工事に加え、水量の安定供給確保のため、吉田町丹比・可愛給水区を拡張し、美土里・高宮給水区への連絡管設置工事に着手することとしております。
あわせて、行政改革の見地から、上水道の維持管理、運営につきまして、民間活力導入を推進してまいりましたが、平成25年度から、包括的な民間委託を本格的に実施するとともに、水道事業と簡易水道事業等を統合するための固定資産評価を実施してまいります。
下水道事業につきましては、一層の水洗化率向上に向け、引き続き、公共下水道事業等を推進するとともに、市設置型の浄化槽整備を推進し、早期に全市的な水洗化を目指します。
また、宅内の排水設備工事費の一部を補助する「下水道加入促進補助金」の活用により、下水道への加入促進を、引き続き推進してまいります。
また、市制施行10周年事業として、市民憲章の策定や記念式典を開催するとともに、広く市民を対象とした文化芸術イベント、市内22神楽団が一堂に会する神楽特別公演、没後450年を迎える毛利隆元展と安芸高田市宝人展などを行いたいと考えております。
最も懸案でありました新葬斎場整備につきましては、地元をはじめ、関係各位のご理解とご協力により、「あじさい聖苑」として、平成25年4月に開館する運びとなりました。命の尊厳と安らぎを感じる施設となるよう運営してまいります。
(2)心豊かで創造性に富んだまちづくり
次に、心豊かで創造性に富んだまちづくりについて、でございます。
参加と協働によるまちづくりを推進するため、引き続き、地域振興会の活動を支援してまいります。また、男女共同参画の推進や青少年の健全育成につきましても、関係機関・団体と連携し、施策を推進するとともに、広報や研修会など啓発事業に取り組みます。
次に、生涯学習の推進について、でございます。
向原地区の生涯学習の拠点として「向原生涯学習センター」(仮称)が、平成25年度にオープンします。市民に親しまれる施設となるよう、関係者の皆様と連携しながら準備を進めてまいります。
次に、学校教育の充実について、でございます。
「確かな学力、豊かな心、健やかな体」のバランスの取れた児童生徒の育成のため、「安芸高田みつや協育」の推進・充実に努めてまいります。
また、学校規模適正化の取り組みにつきましても、地域や保護者の皆様との協議を行いながら検討を進め、教育効果の期待できる小中連携教育についても、県事業を活用しながら、推進してまいります。
学校耐震化対策につきましては、「学校規模適正化推進計画」との整合を図りながら、引き続き、計画的に推進してまいります。
次に、文化の振興について、でございます。
安芸高田市の大きな財産でもある児玉希望画伯・和高節二画伯の作品をはじめとする市所蔵の多くの美術品を、市内の公共施設等に広く展示し、より多くの人に楽しんで頂けるよう、「街がまるごと美術館事業」を展開してまいります。
文化財の保護と活用につきましては、4世紀後半の県内最大級の古墳として注目を浴びている甲立古墳の確認調査を実施してまいりましたが、埴輪列や家型埴輪が出土するなど、全国的にも貴重な前方後円墳であることが判明しましたため、今後、埴輪片の取り上げなどの追加調査を実施し、引き続き、国の史跡指定に向けた取り組みを、推進してまいります。
次に、スポーツ・レクリエーションの振興について、でございます。
昨年は、「サンフレッチェ広島」のJ1初優勝、「サンフレッチェ広島ユース」の高円宮杯サッカーリーグチャンピオンシップ3連覇、「ワクナガ・レオリック」の全日本総合ハンドボール選手権優勝など嬉しいニュースに沸きましたが、これら本市に練習拠点を置くスポーツチームへの支援をはじめ、スポーツの推進、スポーツイベントの充実を図るとともに、総合型地域スポーツクラブの育成支援を行ってまいります。
(3)人と環境にやさしいまちづくり
次に、人と環境にやさしいまちづくりについて、でございます。
すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現をめざし、「人権尊重のまちづくり条例」を基底に、さまざまな人権侵害や差別意識の解消に向け、市民とともに人権啓発に取り組んでまいります。
多文化共生施策の推進につきましては、外国人市民と日本人市民が、互いの違いを認め合い、支え合うまちづくりを推進する、「安芸高田市多文化共生推進プラン」を策定し、平成25年度は、このプランに基づき、事業に取り組むとともに、要望の多いポルトガル語の翻約・通訳員を1名増員することとしております。
結婚のきっかけづくりの支援につきましては、「結婚サポート事業」によって、平成24年度も5組以上の結婚が成立する見込みであるなど、着実に成果を挙げております。引き続き、コーディネーターと連携しながら、これまでの実績を踏まえた、より効果的な支援を実施してまいります。
次に、「市民総ヘルパー構想」の推進について、でございます。
「市民総ヘルパー構想」は、安芸高田市に古くからある「もやい」の精神に基づき、新たな「互助・共助」のかたちを創り出すことで、医療・福祉・介護等に必要な費用を抑制しながら、公共サービスの維持・向上を目指す取り組みでございます。
これまで、介護・福祉分野を中心に、「生活・介護サポーター養成事業」や「安心生活創造事業」などに取り組んでまいりましたが、新たに、医療分野において、生活習慣病の重症化予防対策や、ウォーキングなどの健康づくり運動などに、市民・医療機関・行政などが一体となって取り組む「健康倍増計画」を推進することとしました。
自助・共助・公助の視点から、市民・医療機関・行政などがそれぞれの役割を担い、「生活習慣病重症化予防事業」や「健康づくり運動支援事業」に取り組むことで、健康で充実した生活と医療費の抑制の両立を図ってまいりたいと考えております。
また、医師会、歯科医師会、地域の中核病院でありますJA吉田総合病院とも連携し、救急医療体制の整備や医師等の人材確保に向けて取り組んでまいります。JA吉田総合病院の「休日・夜間救急診療所」の運営につきましても引き続き、財政支援をしてまいります。
子どもの健康保持につきましては、少子化対策の一環として、乳幼児医療費の公費助成を、平成21年度より、小学校6年生まで拡充しているところですが、平成25年度から、さらに、中学校3年生までを対象とすることとし、子育て世代の、一層の負担軽減を図ることとしております。
次に、子育て環境の充実につきましては、「向原こばと園」の新設整備について、設立運営法人である「社会福祉法人三篠会」と連携し平成26年度の開園に向け、引き続き、推進してまいります。
また、「24時間保育」体制の充実のため、土曜日の終日保育を市内5カ所の公立保育園で試行開始することとし、安心して子育てができる環境づくりを進め、若者の定住促進を図ってまいります。
放課後児童対策につきましても、利用児童の多い美土里町の放課後児童クラブの増設を行うなど充実を図り、子育て家庭の支援を行ってまいります。
障害者福祉の推進につきましては、地域社会における共生の実現に向けて、障害者福祉サービスの充実と障害者の自立支援を目的に、社会参加の促進を図るための支援を行ってまいります。そのため、平成25年度から、障害者就労施設等の受注機会の拡大を図るため、市も率先して業務を発注することとしております。
また、民間活力の活用を図る第2次行政改革の一環として、公設の高齢者福祉施設であった「デイサービスセンター百楽荘」、「特別養護老人ホーム高美園」、「向原総合福祉センター(かがやき)」などを、現在の運営法人に無償譲渡し、民営移管することとしております。
次に、環境にやさしい社会の形成について、でございます。
再生可能エネルギーの導入促進が、国全体で求められており、本市においても、豊かな自然環境を生かした再生可能エネルギーの導入のための、基礎調査や検討に着手しました。平成25年度も引き続き検討を行い、年度内には実現に向けた方向性を出したいと考えております。
また、本市独自で実施している「太陽光パネル発電システム」の助成制度については、新たに事業所も対象とするなど一層の普及促進に努めるとともに、住宅向けについては、急速に工事価格が低下している実態を鑑み、補助単価の引き下げなどの見直しを行う一方、「安全・安心・住環境リフォーム普及促進事業」などを活用した、住宅全体の省エネ化を推進してまいります。
資源リサイクルの推進につきましては、市内の事業所等を中心に回収した古紙を、トイレットペーパー「あきたかた紙」として再成し、市内の公共施設で活用するなどの取り組みを推進し、リサイクル活動の普及啓発を図ってまいります。
(4)多彩な生産と交流のまちづくり
次に、多彩な生産と交流のまちづくりについて、でございます。
農林水産業の振興につきましては、ほ場整備事業では、団体営吉田町桂地区、甲田町下甲立地区を継続して、事業推進してまいります。
また、農道整備につきましては、「地域農道舗装リフレッシュ事業」を、平成25年度中の完了を目指して、実施してまいります。
シカ、猪等の有害鳥獣対策につきましては、県内でもトップレベルの対策を講じているところですが、引き続き、捕獲班との連携により捕獲に努めるとともに、農作物の被害を防ぐ防護柵等の設置事業に取り組んでまいります。
また、捕獲した有害鳥獣の肉(ジビエ)の活用を図るため、高宮町内に整備した加工施設を拠点として、特産化に向けた取り組みを進めてまいります。
さらに、農業の担い手不足と耕作放棄の問題が広がる中、集落等における「人・農地プラン」の作成を推進するとともに、遊休農地の解消を図りながら、担い手農家等への集積を促進する取り組みなどを強化してまいります。
野菜等の産地化・ブランド化の推進につきましては、青ネギ・アスパラガスなど競争力のある作物の産地強化及び販路の拡大を図るため、JA広島北部や県等の機関と連携し、パイプハウスの建設などの施設整備を支援してまいります。
また、「三矢ブランド」や「あきたかたのたから」など安芸高田市のブランド商品開発、販路拡大について、JA広島北部や安芸高田市地域振興事業団と連携し、取り組んでまいります。
農業後継者の育成支援につきましては、市とJA広島北部が共同拠出して造成した「農業後継者育成基金」により、県立農業技術大学校の学費等を支援するとともに、国が平成24年度から開始した青年就農給付金を積極的に活用するなど、新規就農者の育成確保策の一層の充実を、図ってまいります。
林業振興対策につきましては、森林の有する多面的な機能が十分発揮できるよう、森林の計画的な整備に努めてまいります。
また、引き続き、「ひろしまの森づくり事業」を活用し、里山林整備や環境貢献林整備などに積極的に取り組むとともに、平成25年度は「ひろしま山の日・県民の集い」が、本市をメイン会場として開催されることから、これを契機に、市民と一体となった森づくり運動を推進したいと考えております。
林道の新設改良につきましては、入江〜戸島線と小谷〜亀谷線整備を、平成25年度も引き続き、推進いたします。
次に、商工業の振興について、でございます。
企業誘致の促進につきましては、近年、円高等の影響により、製造工場の海外移転や閉鎖が相次ぐ中、本市では、農機具販売メーカー「中国クボタ」や機械製造業「田中電機工業」が進出するなど、立地が進んでおります。
今後も、県とも連携し、根気強く企業誘致に努めてまいります。
また、雇用対策につきましては、新たに、NPO法人や市内企業と連携し、高校生と社会人の交流会などを実施し、若年層の就労に対する意識の向上を図るとともに、地元企業への就職に繋がるような取り組みを推進します。
次に、観光振興につきましては、準備を進めておりました「安芸高田市観光協会」が設立されることとなり、今後は、観光協会を中心に官民一体となった観光振興策を推進し、魅力ある観光地づくりに努めてまいります。
また、本市の地域資源である「神楽」と「毛利元就の歴史遺産」を「安芸高田市が誇る財産」として位置づけ、これらを活用した観光振興、地域振興施策に取り組む「未来創造事業」につきましては、「神楽甲子園」や「ひろしま安芸高田神楽東京公演」が大きな反響を呼ぶなど、着実に成果を挙げているところですが、地元経済の活性化に繋げるため、地域での受入体制の整備や「売れる特産品」の開発などに取り組んでまいります。
2,100名を超える皆様に入会いただきました「安芸高田市ふるさと応援の会」につきましては、広島支部が発足するなど組織の強化が図られており、「ひろしま安芸高田神楽東京公演」の開催に際しても、関東方面の会員に、多大なご助力を頂きました。
今後も、組織の充実・強化に努めるとともに、特色ある活動を展開し、観光振興や特産物の販路拡大など、市の活性化に繋げてまいりたいと考えております。
さらに、平成25年7月から9月まで、広島県において大型観光キャンペーンが展開されることから、「ひろしま安芸高田神楽」の全国的な情報発信を行う絶好の機会と捉え、神楽を中心とした観光イベントをキャンペーン期間中に市内外で集中的に展開します。
新しい土師ダムサイクリング・ターミナルが竣工します。のどごえ公園に新たに設置する複合遊具や、先行オープンし既に市内外の多く方から御利用を頂いておりますグラウンドゴルフ場などと一体的に「健康と癒しの空間」として、本市の観光振興や市民のレクリエーション振興に繋がる施設となるよう運営してまいります。
以上、平成25年度予算の編成、提案にあたりまして、私の所信の一端を申し述べ、施政方針とさせていただきます。
何卒、慎重なるご審議を賜りますようお願い申し上げます。
お問い合わせ
企画部 財政課
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