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後鳥羽上皇坐像(高宮町)
後鳥羽上皇坐像は、制作年代・作者不詳。高さ27cm、寄木造りで、全体を艶消し黒漆で彩色しています。請来の経緯は不明ですが、この地方に伝わる「後鳥羽院伝説」をうかがう資料して重要です。
「後鳥羽院伝説」には、隠岐へ配流の際の道筋にまつわる伝説と、隠岐を脱出後の生活伝説がありますが、この地方のものは後者であり、数は多くありません。もとより史実と異なりますが、この伝説は作木側に多くの痕跡を留めており、町域においては当寺に安置する坐像と位牌のみで、他に例がありません。
「後鳥羽院尊儀」と記された位牌は形状、材質等から、この種の類例の見られる江戸時代後期の制作と考えられます。
指定年月日:昭和61年2月7日
所 在 地:高宮町佐々部