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2024年08月23日 更新

暑さ指数(WBGT)についての解説

このページでは、「暑さ指数」についての解説と、「暑さ指数」に応じた熱中症予防のための行動指針を掲載しています。

 

暑さ指数(WBGT)・・・熱中症のなりやすさの指標

暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度))とは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提唱された指標です。

暑さ指数(WBGT)は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい (1)湿度、(2)日射・輻射などの周辺の熱環境、(3)気温 の3つの要素を取り入れたものです。

乾球温度湿球温度及び黒球温度により以下の式で算出され、単位は摂氏度「℃」となりますが、気温とは異なります。

暑さ指数(WBGT)は、気温だけの指標よりも、より熱中症のなりやすさを示している指標と言えます。

 

暑さ指数(WBGT)の算出式

屋外で日射のある場合

暑さ指数(WBGT)=0.1×(乾球温度)+0.7×(湿球温度)+0.2×(黒球温度

 

室内又は屋外で日射の無い場合

暑さ指数(WBGT)=0.7×(湿球温度)+0.3×(黒球温度

 

・乾球温度(NDB: Natural Dry Bulb temperature)

通常の温度計で測定した温度で、いわゆる「気温」のことです。

 

・湿球温度(NWB: Natural Wet Bulb temperature)

湿らせたガーゼで温度計感部を包んだ温度計で測定した温度です。ガーゼから水分が蒸発する際、周辺から熱が奪われるため、湿球温度が示す温度は通常の温度(乾球温度)よりも低くなります。また、水分は周辺の湿度が高いと蒸発しにくく、逆に周辺の湿度が低いとよく蒸発するため、湿球温度は周辺の湿度の影響を受けることになります。湿度が低いほど、通常の温度(乾球温度)との差は大きくなります。

 

・黒球温度(GT: Globe Temperature)

黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15cm)の中心に温度計を入れて観測します。黒球の表面はほとんど反射しない塗料が塗られており、黒球温度は周辺からの輻射熱(太陽からの放射熱や暖められた地面からの放射熱等)の影響を受けています。

 

 

行動の指針・・・暑さ指数の活用

日本生気象学会及び(公財)日本スポーツ協会より暑さ指数に応じた日常生活、運動時における熱中症予防のための指針が示されています。熱中症予防にぜひご活用ください。

日本生気象学会「日常生活における熱中症予防」

(公財)日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」

 

暑さ指数が28以上の場合、すべての生活活動で熱中症がおこる危険性があります。

また、31以上では、運動は原則中止との指針が示されています。

暑さ指数が25から28であっても、熱中症には警戒する必要がありますので、運動や作業の際は十分な休息を取り入れましょう。

 

 

暑さ指数に関する注意点

暑さ指数は、気温が同じでも、測定場所周辺の環境(建物の密集具合や地面の状態、風通し、高さなど)により値が異なる場合があります。

また暑さ指数が低い場合でも、周囲の環境 、当日の体調、活動の内容などにより、熱中症による事故が起こる場合もありますので、気象庁による気温の予報等も参考にするとともに、ご自分の体調などにも十分に注意してください。

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