2024年04月11日 更新
野良猫に餌を与えている方へ
お腹を空かせた野良猫がいたら餌を与えたいという気持ちは否定できるものではありません。しかし、野良猫のためを思って餌を与えることが、結果として不幸な野良猫を増やしてしまうことにつながります。また、餌を与えている野良猫がご近所の敷地で排泄するなど、ご近所の迷惑となっているかもしれません。
猫自身に与える影響
- 猫が繁殖して増えれば縄張り争いが起こり、怪我や事故にあう猫が増えます。
- 猫同士の接触やけんかを通じて、感染症が流行しやすくなります。
- 妊娠、出産の繰り返しで母体に負担がかかり、衰弱します。
ご近所とのトラブルの発生
近年、市役所には猫に関する苦情や相談が増えています。その中では、糞尿による苦情や野良猫への餌やりに関する苦情が多くを占めています。猫による被害で困っている方は、野良猫に餌を与えている人が原因だと思っていることが多く、トラブルに発展してしまいます。
<猫に関する苦情・相談例>
- 庭に入り込んで芝生や花壇に糞をされて困っている。植木や花が枯れる。
- 愛車に爪で傷をつけられた。
- 悪臭がひどくて洗濯物が干せない。
餌を与えるなら責任を持って世話をする
野良猫に餌やりをするのであれば、餌をやっている方自身に猫の世話をする責任が発生します。
本当に猫のためを思って餌を与えようとするなら、猫のためにも、近隣の住民の方々の理解を得るためにも、次のことを守ってください。
- 置き餌は絶対にしない。
- 排泄場を必ず作り、排泄場以外では排泄しないようにしつけをする。
- 近隣住民の理解を得る努力をする。
- 新しい飼い主を探す。
- 不妊・去勢手術をして増やさない。(※飼い主がいない猫だと確認できることが必要です。)
野良猫に餌を与えることは、飼い主と同等の責任が伴うことを理解し行動してください。
野良猫への餌やりと法律について
野良猫への餌やり自体は、法律で禁止されている行為ではありません。しかし、動物愛護法25条では、野良猫に餌を与えることで、騒音や悪臭の発生、毛の飛散、昆虫の発生により周辺の生活環境が損なわれた場合には、都道府県が野良猫に餌を与えている者に対して、指導、勧告、命令を行うことができるとされています。
全国では過去に餌やりから発生したトラブルにおける民事裁判で、餌やりを行っていた方が高額の損害賠償を支払わなければならなくなった判例があります。
安易な餌やりは、猫にも餌をやっている方自身にも近隣住民の誰にとっても良いことはなく、野良猫に餌を与える場合は、相応の覚悟を持って行う必要がある大変責任の重い行為であるとご理解ください。